日本市場において大きなインパクトを与えたダブルスコープショック。
その背景と今後の展望、さらには保有していた投資家たちがどうなったのか・・・
気になる話題の情報を発信していきます。
最後に、投資家としてめちゃくちゃ大事な事も書いてますので是非お付き合いください。
まずは、ダブルスコープとはどのような会社なのかを見ていきます
6619 ダブルスコープ とは
ダブル・スコープ株式会社は、2005年に設立された会社で、
東京都品川区に本社を置く韓国系の会社です。
事業内容は、『プラスチックフィルム及びシートの製造及び販売業』となっています。
資本金 15,216百万円
昨年末時点での従業員数も1321名とかなり規模の大きい会社と言えます。
主力製品は、リチウムイオン2次電池用セパレーターとなっています。
売上高、営業利益、経常利益も黒字化しこれからにさらに飛躍できる状態。
代表取締役の崔氏はサムスン電子出身者です。
リチウムイオン2次電池用のセパレーターとは
電池技術の正極材(+)と負極材(-)を隔離するための材料です。
これがないと、各材料が混在し、過剰発熱や、ショートといった製品不具合が起こります。
このセパレーターがあることにより、電子の流れ一定に保つことができる為、電子部品には必須の材料となっています。
また、以上発熱や、高温になった場合でも、使われている素材自体を溶かすことで、
製品の停止を行う為、発火防止の安全装置とも言われてたりもします。
スマホやパソコン、EV自動車などに使われておりあらゆる電子部品のキープロダクツになっています。
そのセパレーターの世界市場に目を向けていきたいと思います。
セパレーター業界の順位と世界シェア
順位 / 社名 / 国 / 率 /で記載していきます。
1位 上海エナジー(セムコープ) 中国 21.02%
2位 旭化成 日本 9.87%
3位 SK ieテクノロジー 韓国 9.75%
4位 東レ 日本 6.37%
5位 金力 中国 6.37%
6位 ダブル・スコープ 韓国 4.46%
*セパレータメーカーの世界シェアと業界ランキング(2021年) ©ディールラボより引用
この様に、アジア圏でのセパレーター技術はこの主要3か国で競い合っています。
その中で、ダブルスコープグループは6位につけており、世界シェア5%に迫ろうとしている状況です。
このセパレーターですが年平均の成長率が2026年までに25%の成長を見越しているという事から、各社がかなり力を入れて生きている業界です。
それでは本題に移りたいと思います
ダブルスコープの株価はどうなったのか?
東証プライム 6619 ダブルスコープの株価が大暴落しました。
まずは直近6カ月間のチャートを見ていきます。
2022年4月12日の最安値742円をつけてから、上昇し、
7月にも1000円近くの下落があったものの、そこが押し目となり上昇してきていました。
ダブルスコープの上場来高値は、
2016年5月13日につけた 3675円
直近の勢いではこの上場来高値の更新ができるのではと注目が集まっていました。
その勢いを後押ししていたものが、連結子会社の韓国新興市場への上場でした。
当初は8月上場の予定だったのですが、業績が好調だったため、その内容も反映した上で1か月上場を後ろに倒し9月上場となることが決まっていました。
そして、9月15日それは起こるのです。
9月15日に韓国で報道された内容
9月15日 韓国国内で、ダブルスコープ連結子会社の公募価格が下振れするといった情報突如でてきました。
その情報がでるまでは、年初来高値の3175円を付けるなどし、株価も好調をみせていたダブルスコープ
公募想定価格が8~10万ウォンが当初の見込み。
しかし、実際の公募価格が6万ウォンほどになることが分かり、20%ほどの下振れとなる。
それを嫌がった投資家がダブルスコープの株を売り始め、株価が大きく下落したという流れになります。
それに伴い株価がどうなったのか?
下落時のチャートを見ていきましょう。
ダブルスコープ株価 まさかの3連続ストップ安
9月15日 年初来高値 3175円更新
終値 2979円
9月16日 陰線 終値 2479円 ストップ安
9月20日 寄り付かず 1979円 ストップ安
9月21日 寄り付かず 1579円 ストップ安
3日連続のストップ安となりました。
9月22日 始値 1469円で寄り付くことになりました。
この下落の影響を受けた投資家たちは??
信用取引でポジションを保有していた投資家たち
信用取引で売買していた投資家の中で、
ダブルスコープを買いでエントリーしていた投資家に悲劇が起こります。
実はこのダブルスコープ、デイトレーダーの中ではかなり人気の銘柄となっていました。
私がデイトレに向いている銘柄として過去記事でもかいていますが、
- 上昇銘柄である
- 1日の値動き(ボラリティ)が大きい
- 出来高が常時ある
この3つの項目が合致しており、デイトレーダーの戦場地でした。
デイトレで逃げ遅れた投資家
まずは1日信用をしていたトレーダー達
9月16日の株価ですが、
始値 2729円でした。
ここから、ストップ安の2479円に一度はいくのですが、
そこから反転し、後場開始と同時に一時2840円まで上昇します。
しかし、ここからが悲劇、1時間でまたストップ安まで下落しそこから張り付いてしまい
『特別売気配』の状態に。取引停止になるのです。
1日信用で保有していたデイトレーダー達は、売却して逃げることができず、
捕まってしまうのです。
1日信用で売買しているものについては、翌営業日の寄り付きで強制決済がかけられるのですが、
翌2日寄り付かずのストップ安となり、決済できたのは9月22日となります。
例えば、
9月16日 2800円で100株持っていたとします。
9月22日 1469円の始値で強制決済
2800円ー1469円=値差1331円 (3日間の罰則金利含まず)
1311円×100株= 131,100円の損切となるわけです。
しかしながら悲劇はこれだけではありません。
信用取引は3.3倍のレバレッジ
日本株における信用取引は3.3倍までというレバレッジが効きます。
50万円を預けている人は、約150万円ほどのトレードを可能にしてくれます。
150万円分ダブルスコープでポジションを取っていたとしたら。
株価2800円であれば500株購入できることになります。
先ほどのシュミレーションでいくと、
値差1311円×500株= 655,500円の損切となり、
155,500円が証券会社への借金となります。
『借金』です。
株の売買をして借金
これも知っておかないといけない事実です。
スイングトレーダーたちはどうだったのか?
次にスイングトレーダーはどうだったのか?
9月16日からの下落をみてみると9月22日で株価が半分になったイメージです。
1550円は遡ること6月付近の株価です。
それ以前にポジションを取っていた人は今回回避できていると思います。
信用取引にはいくつか種類があります。
1日信用
6か月信用(6か月後に強制決済)
無期限信用
購入時期によっては今回の騒動に巻き込まれなかった方もいるようです。
株の取引は余剰資金でやることの大事さ
SNS上ではダブルスコープで借金を抱える人の投稿をかなり目にしました。
どなたも、信用取引の方です。
株取引に不安がある人や、初心者の方は是非、現物取引を徹底してください。
現物であれば、マイナスになっても強制決済はありませんし、次の上昇まで気長に持つことができます。
株取引は、含み損、含み益にメンタルが左右されますが、10年持つとほとんどの株が上昇しています。
最後に10年間のダブルスコープの株価をご覧ください。
たまにはこうやって期間を大きくしてチャートをみることも大事だと思います。
こうやってみると、みなさんは買いますか??
当たり前ですが、上がれば下がるし、下がれば上がる。
もちろん短期的にお金を増やせることができるのが株やFX・仮想通貨ですが、
借金を背負う事はないですよ。
未来の事はわからないですが、加熱銘柄にわざわざ飛び込まなくても、
利益が取り易そうな銘柄はほかにもいっぱいあります。
そのような銘柄を見つけてエントリーすることで、少しづつですが資産が増えると思います。
大事な事は、エントリーする理由をしっかり持つことです。
それを繰り返すことで、着実に投資力が身に付きます。
私がエントリーするとき毎回確認するサイト → こちら
ぜひ参考にしてみてください。
最後までお読みいただき有難うございました。